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村田沙耶香:「授乳」から「コンビニ人間まで」


ここ数ヶ月で村田沙耶香さんの著書4作品に触れました。すべて家の近くにある画廊のおじいさんが貸してくれたのですが、ずっと借りっぱなしにしていました。そろそろ返さないとといけないと思い、さらっとですが読み終わりました。

デビュー作の「授乳」から「しろいろの街の、その骨の体温の」、「消滅世界」、「コンビニ人間」までの4冊を読んだ順に軽く振り返ってみたいと思います。

「コンビニ人間」の感想


4つの中で言うと一番読みやすい、というか一番ライトな印象がしました。ライトと言っても社会に適応して暮らしている人たちの「普通」や狂気じみた大衆の思想が主人公の古倉惠子に押し迫ってくる感じはとてもリアルで迫力満点でした。

私が個人的に社会に対して感じていた憤りに対して淡々と向き合う古倉惠子がとても清々しい存在にも思えました。

個人的に結婚や彼氏・彼女という言葉で括るような関係性には興味がないので、社会にとって「普通」の考え方を周りに押し付けられる主人公の古倉惠子に共感する部分がいくつかありました。でも、古倉惠子は性格から性質から本当に強い登場人物だ。。ちょっとうらやましいです。

論理性があるけれど倫理性はまた別案件な感じが無敵に感じたのかも。うらやましい部分もあるけども、古倉惠子は自分とは全く違う性質を持った人間ですね。

多くの人が日々感じるであろう社会とのズレや違和感などが的確な描写で書かれていたと思います。古倉惠子の行動や言動が読んでいて気持ちよかったです。

「しろいろの街の、その骨の体温の」の感想

伊吹の真っ直ぐさ、正常さに恐れおののきそうになりました。「健全」すぎて羨ましいし、彼はまた自分と違う性質の人間なので自分は伊吹みたいに健全になれないと思うと「ううう、、、」と苦しくなりました。コンビニ人間の古倉惠子もそうですが、社会の毒に強いなあと思いました。

どの年代の方でも共通してスクールカーストや人間関係の不快感・違和感がリアルに感じられるのではないでしょうか。なんて細かい描写なんだろう。

潔癖で無菌な街の開発とそんな街で遊び場を求める子供達の描写など、現代っ子には共感できる部分が多い作品かもしれません。私にも無菌時代があり、その時はあまり生きている心地がしませんでした。

恋の描写は本当に良かったです。性に目覚め、歪んだ支配欲にも目覚め、恋でいろいろトチ狂ってしまう感じが、いい!!

主人公の結佳の成長もまたよかった。最後の最後で脱皮する感じ。美しかったし、本当に強い!元気をもらいました。もうちょっと前を向いて生きてみようかななんて思わせてくれるような作品でした。

「授乳」の感想

とりあえず小学生の美紗子がすさまじかった(笑)「お前はそれに依存しなければ生きていけないし、その運命から逃れられないんだぞ。」みたいなセリフを吐いていたのが印象的でした。

解説部分で「自分が女性であることに対しての嫌悪感」に関しての言及がありましたが、これって多くの女性が持っているのではないでしょうか?社会からの圧力や性別で分けられる社会での役割やパワーバランスなど、嫌悪感を抱いてしまう原因はたくさんある気がします。

社会にとっての便利な女性であることを演じず、ただただ自分自信を愛せるようになりたいものですね。村田沙耶香さんの作品は性や生にまっすぐで誠実な作品ばかりだと感じました。

「消滅世界」の感想

4つの作品の中で一番好きかもしれません。まず何と言っても設定が面白い。

戦争後に人口が激減したのを機に人工授精が普通の世界に。男も女も出産できるようになり、妻と夫のセックスは近親相姦で汚らわしいものとされる。じゃあ何が清いものかというと、架空のキャラクターを恋をすることである。この世界ではだんだんとセックス・恋・家族が消滅していく。。

また生や性に関する描写がすごく良かったです。また、時代によって倫理や価値観がガラリと変わってしまう様子がやや恐怖感を感じさせました。

数十年前まで障害者や性的マイノリティの方対してとんでもないことを言っても差し支えがなかったりだとか、現にこのような価値観の変化は常に起きていますよね。私は良い方向に向かうことを全力で願っていますが、もちろん逆に恐ろしい価値観が蔓延する可能性もあるわけで。

いとも簡単にファラシーが蔓延してしまう社会や人間たちの危うさを感じました。正義って一体なんなんだ。。

まとめ

適当なことしか言えませんが、村田沙耶香さんの作品は読んで良かったと思っています。性や生のエネルギーを感じて、わくわくしました。

自分は主人公たちのような強い人間にはなれないかもしれないけれど、まずは自分を愛し、人間の醜さや危うさを受け入れながら、なんとか命を全うしていきたいと思いました。

 

それではまた次回のブログポストで。

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