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肉を食べずにタンパク質は十分摂取できるのか?ヴィーガン・ベジタリアン(菜食)に関するよくある質問


ヴィーガン(完全菜食主義)的なライフスタイルに興味があると言うとよく聞かれるのが「お肉や魚を食べないでたんぱく質が足りなくないのか?」という疑問です。たんぱく質とは一体何なのでしょうか。

たんぱく質とは、血や肉や細胞となり体を作りあげる役割ががあります。たんぱく質は英語でプロテインです。これが勘違いの一因になっているのですが、たんぱく質とは牛や豚や鶏だけに含まれるわけではありません。

魚のお肉にもたんぱく質は含まれますし、豆や精製する前のお米(玄米)や小麦(全粒小麦粉)にも植物性のたんぱく質が豊富に含まれています。最近ではたんぱく質が豊富で食感が良いということでフレンチで昆虫を食材に使うこともあるそうです。人間や動物に限らず、多くの植物にはたんぱく質が含まれているのです。

「菜食でたんぱく質が足りなくならないのか」という質問に対しては、アメリカ栄養士会など、信頼できる機関が明確に心配不要であることを表明していますが、たんぱく質の必要な量や質はライフスタイルやライフステージによって、つまり人によって異なります。厚生労働省が発表している「健康な成人における良質(動物性)たんぱく質のたんぱく質維持必要量」は体重1kgに対して約0.65gです。

つまり60kgの体重の人であれば必要なたんぱく質は(食品の重さではなく)約39gになります。運動をする人であれば、その運動の強度に応じて必要量は増えるべき、ということになります。39gのたんぱく質を植物性の食品、例えば納豆”だけ”から摂ろうとすると3パック程になります。

納豆だけ食べるという食生活はあり得ず、野菜や果物など他の食品からも植物性のたんぱく質を摂取できるので、肉を食べないと筋肉が失われ、体が細くなっていくという心配はいりません。

ただし、喫煙や睡眠不足などの生活習慣や、加工などにより栄養素が失われた食品ばかり食べていると体のたんぱく質利用効率が落ちたり、量を食べても質がないなどの状況になってしまうことがあるので注意が必要です。

たんぱく質だけ摂っていれば良いだけでなく、たんぱく質を消化するために必要なエネルギーや(炭水化物)や、全体としての調子を整えるビタミンやミネラルも併せて摂る事が重要です。また、たんぱく質の摂り過ぎは動物性、植物性に限らず、肝臓などの消化器官に負担を掛けます。

ここで「動物性のタンパク質が良質」と言われるのは、良質の定義が「その食品に含まれるアミノ酸の種類と量が多い」とされているからです。この事は、よく「アミノ酸スコア」とも呼ばれます。アミノ酸とは何でしょうか?

たんぱく質は消化の過程でアミノ酸に分解され、体内に蓄積されます。このアミノ酸は20種類あり、そのうち9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」と呼ばれます。

動物性たんぱく質のアミノ酸スコアが高いのはこの必須アミノ酸も含めて、アミノ酸を豊富に含むからです。よって、筋肉を作ったりカラダを「早く」、「てっとりばやく」成長させる為の原料として動物性のたんぱく質を選ぶのは理にかなっていて、多くのプロテイン(栄養補助食品としての)の原料が動物性のたんぱく質を原料にしているのはこの為です。

もちろん大豆などの植物性たんぱく質を原料としたものも多く存在します。「早く」というのは当たり前で、体内でアミノ酸を合成するというプロセスを、動物の体内でしてくれているからです。

「てっとりばやく」というのは、複数の食品を摂らなくても必須アミノ酸を確保できるからです。栄養補助食品としてのプロテインを製造するメーカーはこのアミノ酸スコアを強調してマーケティングしています、そして嘘はついていないのです。

必須アミノ酸は豆類だけでなく、ありとあらゆる野菜にも果物にも含まれます。ケールが注目されているのは、必須アミノ酸(だけではないですが)が豊富なことも挙げられます。ナッツなどの種子類にも豊富です。

ヴィーガンのアスリートが存在できるのは、野菜/果物/穀物/種子/海藻などから、必須アミノ酸、それ以外のアミノ酸を体内で合成・利用する為のエネルギーや栄養を幅広く摂取しているからです。

ヴィーガンのトップボディビルダーがいることは、アスリートにおいても植物性の食事(たんぱく質においても)がハードルにならないことを示しています。一般の人でも、たんぱく質が起こりにくいのは、幅広い食品群から摂取可能な為です。

健康面への影響を考慮して動物性の食品を避ける者の視点から動物性たんぱく質のリスクを考えるときにまず挙げられるのは、生活習慣病についてです。中国全土で食習慣と生活習慣病の罹患率の関連をチャイナ・レポートが明らかにしたように、動物性たんぱく質を摂取することにより、心臓病やガンのリスクが高まることがわかっています。

また、プロテインの原料にもなり、粉のプロテインを飲む人が割りものとして使う牛乳に含まれるカゼインはガン細胞の成長を促進するとも言われています。

また、動物を食べるということは食物連鎖により環境ホルモンなどの有害物質が蓄積されやすいです。これは生物濃縮と言われ、食物連鎖の上位に行けば行くほど高くなります。

食肉用の家畜や、乳牛は病気の防止などの為、抗生物質が大量に投与されていたり、餌になる豆や穀物にも大量の農薬が使われていることがあるため、これらのリスクが高まります。魚も海洋汚染による生物濃縮のリスクがあります。これらは発がん性物質であることがあるので注意が必要です。

発がん性物質を摂取して、ガンの促進物質を同時に摂取している為大変危険であるという専門家もいます。数年前にはWHOが正式にハムや赤みの肉を発がん性があると発表し、ハムメーカーなどが反発したことがありました。

まとめると、ヴィーガンでも植物性のたんぱく質から必須アミノ酸も含めて十分に摂取でき、一方、動物性のたんぱく質は生活習慣病などのリスクが明らかになっています。この記事がヴィーガン的なライフスタイルを取り入れる際の安心材料の一助になれば幸いです。

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